はじめに
本記事では、延長コードを通した配線にどれだけの電圧降下が起こるかを、ドライヤーを使って検証しました。
さらに、電圧と電流から配線抵抗を計算する方法も解説します。
この記事を読んだら分かること
- 延長コード使用時に電圧が下がる理由
- ドライヤー運転中の実際の電圧と電流
- 配線の抵抗値の計算方法
- 安全な延長コードの使い方のヒント
実験概要
今回は以下の内容を検証しました。
- ドライヤーのような大電力機器の使用で、電圧がどれだけ変化するか
- オームの法則から、配線の抵抗を算出
使用機器
機材 | 仕様・目的 |
---|---|
延長コード | 家庭用 約3m |
ドライヤー | 定格1200W(強モードで運転) |
デジタルマルチメーター(DMM) | 電圧測定に使用 |
クランプ式電流計 | 実際の電流(A)を測定するため |
実験方法
- 延長コードの電圧を測定(ドライヤー未使用時)
- ドライヤーを「強」で運転し、再び電圧を測定
- 電流計でドライヤー使用中の電流を測定
- 電圧降下 と 電流値 から配線抵抗を算出
実験結果
状況 | 測定電圧 |
---|---|
ドライヤー未使用 | 102V |
ドライヤー使用中 | 96V |
電圧降下:6V
クランプメーターで確認した電流:約11A
なぜ電圧が下がるの?
電圧が下がる原因は、延長コードや電線に含まれる内部抵抗(銅線の抵抗)です。
ポイントは以下のとおり:
- 導線にも抵抗がある(特に長い・細いコード)
- 大きな電流が流れると、その抵抗によって電圧が消費される
- ドライヤーのような**高出力機器(1200W)**では、影響が特に大きい
配線抵抗を計算してみた
電圧降下が6V、電流が11Aなので、配線の抵抗は以下のとおりです:
R = 11A ÷ 6V ≒ 0.545Ω
つまり、配線抵抗は約0.55Ωとわかりました。
まとめ
- 延長コードに11Aの大電流を流したとき、6Vの電圧降下が発生
- 配線の抵抗値は約0.55Ω
- 配線の長さ・太さ・使用機器の電力が電圧降下に影響する
- 大電力機器は、できるだけ太くて短い延長コードを使用するのが安全!
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