始めに
モーターの速度を簡単かつ自由にコントロールしてみましょう!!例えば、ロボットの走行スピードを調整したり、電動ファンの風量をコントロールしたりすることができます。 モーターは世の中で様々に使用されており、速度調節できるようになることで、様々な工作ができるようになります。
ではどうやって、モーターのスピードをコントロールするか? 今回は、「FET」という電子部品を使ってモーターの速度を制御します。
FETって何??
FETとは、日本語で電界効果トランジスタと言います。
簡単に説明すると、スイッチです。
通常のスイッチは,ボタンをプッシュすることで、ON/OFFを切り替えます。
FETが通常のスイッチと異なる点は、電圧をかけることでスイッチのON/OFFをを切り替えることができる点です。
もう少し詳しくFETの動作の仕方について解説します。
FETの動作の仕方
下記が、FETの回路図記号です。

ゲート(G)、ドレイン(D)、ソース(S)と呼ばれる3つの端子があり、ゲートソース間に電圧を加えることによりスイッチをONにすることができます。

どのような仕組みになっているか?
電圧が加わっていない状態だと、非常に大きい抵抗がついていると考えてください。
下記の画像のようになっています。

電圧を加えると、抵抗の値が非常に小さくなり、電流が流れます。
抵抗値は非常に小さくはなりますが、0にはなりません!
この時の抵抗をON抵抗と言います。
ON抵抗が大きいと、電流が流れるときに発熱しやすくなります。
トランジスタとFETの違い
FETと似ている部品として、バイポーラトランジスタという電子部品があります。
この2つの大きな違いは、駆動の方法です。
FET
FETは、「電圧」で制御するトランジスタです。
電圧を加えることによりスイッチングすることができます。
ゲート(G)は、ドレイン(D)ソース(S)端子とは絶縁されているため、電流は流れません。
バイポーラトランジスタ
一方で、バイポーラトランジスタは「電流」で制御するトランジスタです。
ベース(B)に電流を流すことで、コレクタ(C)とエミッタ(E)の間の電流を制御します。
電流が流れるため、消費電力がFETに比べ大きくなります。
今回作るもの
では、今回どうやってモーターの速度を制御するか? 先ほど説明したFETに加える電圧を調整できるようにし、モーターの回転速度をコントロールします。
使用したもの
電池:9V
抵抗:10kΩ
可変抵抗(0~10kΩ)
FET:2sk4017(Nチャネル、駆動電圧が電池の電圧以下のものであればOK)
DCモーター
ブレッドボード
ジャンパ線
回路図
この回路では、FETのゲートに可変抵抗を接続することで電圧を調整し、モーターの回転速度を制御します。注意点として、FETのドレインとソースの間に適切な電流が流れるよう、電源電圧とモーターの仕様を確認してください。

動作の仕方
- 電源をONにすると、回路に電圧が供給されます。
- 可変抵抗を調整することで、FETのゲート電圧が変化します。
- FETがONになると、モーターに電流が流れます。
- ゲート電圧を変えることで、モーターの回転速度を制御できます。
動作確認
実際に回路を組み立てて動作を確認しました。電源を入れると、モーターが回転を開始しました。可変抵抗を調整すると、FETのゲート電圧が変化し、それに伴いモーターの回転速度が変わることを確認できました。
まとめ
FETは電圧で制御するスイッチであり、モーターの速度制御をすることができる。
余談
DCモーターの型番が分からず、駆動電流、駆動電圧を正確に知らなかったので、
正直正常に動作するか不安でした、、、
どれぐらいの電流でモーターが動作するか確認するために、電流値を測定してみました。
また、FETのON抵抗も測定してみました。
DCモータの電流の測定結果
約20mAぐらい流れていました。
50mAぐらいながれているかぁと思っていたのですが、思っていたより小さい!
速度が低速時の電流なので、加速時はもう少し流れているかもしれませんね。

FETのON抵抗
2sk4017のON抵抗は、0.1Ωでした!
データシートには、0.07Ωと記載されていました。

コメント